プラサード書店
PRASAD books
BOOK & TALK 『遊行め』
【新宿1968と渡辺眸】
2024年12月15日(日曜)18時~
ほびっと村学校(杉並・西荻窪駅南口)
───────────────────────
企画:プラサード書店+ほびっと村学校+ナワプラサード
会場:ほびっと村学校
(JR中央線・西荻窪駅南口^杉並区西荻南3-15-3 3F)
会費:2000円
★要予約 TEL.03-3332-1187 または
hobbit@ea.mbn.or.jp
TALK トーク:
William Marotti ウィリアム・マロッティ (歴史家、UCLA歴史学部 准教授)
嶋田美子 (美術家、アーティスト)
渡辺眸(写真家)+槇田きこり(編集、アーキヴィスト)
スライドショー:槇田きこり
渡辺眸は、今年春に『Lotus ロータス』が発行され、初夏に『遊行め』、夏にはアメリカで発行された『I'm So Happy You Are Here: Japanese Women Photographers from the 1950s to Now』でも紹介され、海を超えて話題になり始めている写真家。
この夏に各地の山で開かれた三つの祭りでの写真展、都心での[眸クロニクル]展に続く、渡辺眸写真誌『遊行め』発刊記念の第三陣です。
敗戦後一気に東京最大の繁華街になるのが内藤新宿だった。新宿駅の西側には1つだったが、東口には3つのヤミ市ができた。全てテキヤ集団が立ち上げた庭場だった。敗戦日の5日後8月20 には、最初の市場が淀橋警察署の了解の下で駅東口で始まった。西口は淀橋警察署の要請で、現在の小田急百貨店から大ガードまでの市の広さが用意された。
20世紀後半に最大の繁華街となる新宿は、テキヤ世界の場を所有していないストリート魂が生み出したのだった。
東京の香具師(やし・テキヤ)と新宿は、2つとも写真家として渡辺眸の出発点だ。1960年代後半のことだ。
眸が「ターニングポイントとしての1968年」と語る
この時代に光を当てます。
渡辺眸写真誌『遊行め』で【変容する知覚の先端にある写真】を寄稿したWilliam Marotti (ウィリアム・マロッティ)さんが、ロサンゼルスからやって来て話をしてくださることになった。
マロッティさんは、『Money, Trains, and Guillotines: Art and Revolution in 1960s Japan (貨幣、電車、ギロチン ━━ 1960年代 日本の芸術と革命)』の著書がある。この時代の社会情勢と芸術というより叛芸術の関わりを研究されている。
『遊行め』の解説文から引用します。
[渡辺の対象に深く傾倒し介入していく姿勢は、東京綜合写真専門学校を終了する前に撮り始めた初期の連作から既に明確である。彼女は興味と配慮を持ってカメラと共に、外部からは識別できないようなコミュニティの中に深く入り込み、その内部に出現した価値観や体現されている慣習を敏感に感じ取っていった。この点は、寺社のお祭りに付随する〔テキ屋〕と呼ばれる露天商『香具師の世界』や東京・新宿界隈のカウンターカルチャーに関する渡辺の作品にも同様に見て取ることができる]
マロッティさんが渡辺眸の新宿やテキヤさらに1960年代後半の対抗文化や異議申し立てのムーブメントな写真一枚一枚から、スライドショーで何を読み解いてくれるのか楽しみ。
もう一人のゲストは、嶋田美子(Shimada Yoshiko)さん。
2016年、ほびっと村学校での【渡辺眸物語】をマロッティさんに知らせて二人で参加してくれた。『遊行め』制作時も二年にわたり渡辺眸にマロッティさんが会うときに同席してくださっている。『おまえが決めるな! 東大で留学生が学ぶ 《反=道徳》フェミニズム講義』の著書がある。写真誌のタイトルを決めるとき、制作サイドでは『遊行女』を提案したが、眸さんはもう女を強調することはないだろうと言い、『遊行め』となった。嶋田さんは渡辺眸というオンナに何を見出すのだろうか?
..........
ゲストのお二人が渡辺眸の写真群から何を読み解くのか、視覚化できるように、『遊行め』の編纂のために準備した膨大な写真からスライドショーを準備しています。
新宿に関しては「番外地」の視点でカウンターカルチャーらしく、フーテン・ベトナム反戦で沸き立つ駅西口広場・1968年10.21の騒乱罪が適応された国際反戦デー・笠井叡舞踏【稚児之草紙】などのシーンを用意しました。画像の数は180点。縦写真を2枚重ねているのも多いので写真展数としては200枚を超えます。
これら新宿以外にも、60年代末の「アングラ」パフォーマンスの数々を用意しました。中でも1970年の大阪万博に異議を唱えたゼロ次元や告陰などの「万博破壊共闘派」の【狂気見本市】と【反戦のための万国博欄会(大阪城公園)】などの表現は圧倒的です。
アングラなどの写真記録の多くは、紙焼きされたことがない未発表写真です。
スライドショー以外にも、ナワプラサード店内にプチギャラリーを当日は用意しますので生写真もご覧板いただきます。
(槇田きこり但人 (プラサード書店『遊行め』編纂者)
プラサード書店は1977年に東京・西荻窪で本屋として開業しました。自然生活、癒し、精神世界などを中心に扱う本屋でした。専門書店ではない日本初のセレクト・ブックショップでした。本の出版もしました。1994年にプラサード書店は本屋を閉め、姉妹店「ナワプラサード」に本屋は引き継がれています。
渡辺眸『遊行め』を出版することで、2024年、プラサード書店が出版社として蘇りました。
渡辺眸さんは最近自宅近くのスタジオを閉め、フイルムや紙焼きなど写真類は倉庫を借りて引っ越していた。引っ越し先の荷物はまだ未整理のままで、私は、その倉庫に2022年5月から翌年2月まで毎月3日~7日間をかけて、フィルムや紙焼きなど原版の探索収集に通うこととなった。編集者役というより写真事務所のスタッフのお役目であった。そのおかげで、収録したい写真のイメージは膨大に増え、作り直し続けたモックアップの第6版は500ページを超えてしまった。選びに選んで、ようやくこのような内容にたどり着いた。すでに、眸さんの代表作と呼ばれる写真作品集は1960年代から1970年代初頭のものがいくつもある。この本では1970年代半ばの「コミューン」を取材した作品から始めることにした。
(槇田きこり但人、序文より)
写真誌
渡辺眸
遊行め
Yugyoume,
or Hitomi On The Road
Watanabe Hitomi Photography
発売中!
掲載写真: 522点
344頁、全頁4色刷り
A4判・縦形並製
PUR製本
カバー装
造本: 中山銀士
定価: 4000円+税
(WEB注文は送料サービス)
発行: プラサード書店
山梨県富士吉田市
上吉田7-11-3
〒403-0005
phone+fax: 0555-24-8943
info[a]prasadbooks.jp
(スパム防止のため@を[a]に変えています )
新宿番外地:笠井叡ほか 1967~1969
東京のテキヤ
アングラ東京:告陰/ゼロ次元ほか
東大全共闘・安田講堂 1968~1969
西方巡礼:ネパール・インド
九州のコミューン 1970年代
ラジニーシ(和尚)アシュラム
別府の長松寺と山田龍宝
国東と宇佐の神々の声を聞く女たち
C+Fコミュニケーションズ
原発サラバ記念日 1988
いのちの祭り'88 in 八ヶ岳
ウエルカム・トー・ヤポネシア:
アレン・ギンズバーグ+ナナオ/
ティク・ナット・ハン/ほか
バリ島:花の祈り ロンドン徘徊
グローバル・フレンズ:小田まゆみ/
鶴田静/松田隆智/おおえまさのり/
星川淳/天空楽団/土取利行/ほか
寄稿文:William Marotti/大竹昭子
渡辺眸『遊行め』制作の出発点は、この時だった。
2016年1月10日、東京・西荻窪の「ほびっと村学校」で開いた【カウンターカルチャー・アーカイブ「私の青空」第5回:渡辺眸物語】だ。1960年代に青春を送った先輩方から話を聞くシリーズ。
渡辺眸物語は当然だが、写真の数々をスライドショーで観ながらの話だった。そのスライドショーはYouTubeにアップしている。
講座でスライドを観ながらの眸さんの話しも動画で撮影している。いずれ公開したいと思う。
『NO NUKES ONE LOVE ── いのちの祭り '88 in 八ケ岳 Jamming Book』
発行:1990年 定価:2913円+税213円≒3200円
編著者:ONE LOVE Jamming (内海朗、坂田和人、田中ヨミス、星川まり、矢谷左知子、樵夫)
文章:星川まり(Ma Dhyan Sakino)
写真:渡辺眸、ほか 造本:内海朗
B5判 174ページ 本文用紙:中性紙
長沢哲夫 詩集
『手のひらに 虹の 長い尾羽根が まわっている』
プラサード書店 1983年刊 1900円+税
在庫在ります。当サイトからご注文受けます。
詩:長沢哲夫(ナーガ)
解説:山尾三省(サンセイ)
挿画:高橋正明(アニキ)
装丁:中山銀士
ナーガが諏訪の瀬島で暮すなか詩はあまり書いていなかった。事故で鹿児島市内に入院しているときに詩を書き溜めた。ナーガの初の詩集となった。